2010年3月16日火曜日

2010/3/16 口底迷入智歯を摘出

シノダ歯科クリニックは口腔外科を標榜しています。そして私は筋金入りの口腔外科専門医です。外来の局所麻酔でできる手術ならたいていのオペがここでできるような体制を整えているつもりです。今日は下顎智歯が口底に迷入した患者さんが紹介来院されました。
口腔外科は「抜歯に始まり抜歯に終わる」と言われます。口腔癌の手術や顔面外傷の手術など、いろんな手術がありますが、それらのすべてのエッセンスを含んでいるのが「抜歯」なのです。他院で下顎智歯を抜歯中に根の先端が破折して、骨を破って内側の軟組織内に迷入したのです。下あごの内側の組織には重要な神経や血管などが走っており、迷入した根はそれらに近く、摘出には細心の注意が必要とされます。午前中に他院で抜歯の後でしたが、腫れてしまうとどこにあるのかわからなくなるので午後の初診で当院に来ていただき、レントゲンを撮ってさっそく処置に移りました。粘膜を切開して剥離し、破折した舌側の骨を丁寧に処理し、口底に迷入した破折根を無事に摘出することができました。出血もなく、周囲の血管や神経なども傷つけることなく処置することができました。ミイラ取りがミイラにならずにすみました。術後の炎症は少しきつく出現するかもしれませんが、明日から経過観察をしていきます。

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