2009年11月12日木曜日

2009/11/12 ファイバーコア

今日の診療ではファイバーコアを二本セットしようとしたのですが、一本がわずかに不適合だったため再印象しました。保険外の自費診療なので余計に気を遣うのですが、妥協せずに再製することにしたので患者様にはご迷惑をおかけしました。自費診療には高額なものが多いのですが、やはり優秀な材料を使うことができる利点は大きいと考えます。ここではファイバーコアの利点について説明します。これが保険給付されれば福音なのですが・・・

ファイバーコアは、一般的に使用されている金属の心棒に比べて、いろいろな利点があります。

●ファイバーコアは歯質と化学的に接着する

金属の心棒も接着剤で歯と接着しますが、金属の心棒、接着剤、歯の3者は実は完全には一体にはならず、お互いの細かい溝などに接着剤が入り込み、抑えている状態です。(機械的接着) この状態だと、接着剤が何らかの原因で流れてしまうと、金属の心棒と歯の間に隙間が生じ、そこから虫歯になったり、歯の根が割れる原因になります。
ファイバーコアは、歯質とより近い性質の心棒なので、ファイバー樹脂の心棒、接着剤、歯の3者が金属の心棒を使用したときと比較して一体化しやすいのが特徴です。(化学的接着)

●ファイバーコアは歯の根の割れの原因になりにくい

歯の根が割れる原因は、金属の心棒が接着剤と離れて、クサビの役割をしてしまい、歯の根に負担をかけることで根が割れることが多いのですが、ファイバー樹脂の心棒は歯の根と一体化しやすいので、歯の根が割れる原因になりにくいです。

●ファイバーコアは腐食しない

金属の心棒には合金中に銀が含まれていますので、唾液により腐食することがあります。ファイバー樹脂の心棒はファイバー樹脂だけでできているので、腐食しません。

●ファイバーコアは銀イオンが出ない

金属の心棒は、合金中の銀が長い間に銀イオンとして歯質に出てきますので、歯の根の色が変わることがあります。ファイバー樹脂の心棒は銀イオンは出ませんので、歯の根の色が変わりにくくなります。

●ファイバーコアは歯と同程度の弾性がある

金属の心棒にはほとんど弾性がなく、これも歯の根が割れる原因になります。ファイバー樹脂の心棒は歯と同程度の弾性があるため、歯の根の割れの原因になりにくいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿